教育研究所

[▼ページ最終行へ] [1.所長より] [2.教育研究所の様子など] [3.研究発表会] [4.研究所の目的と運営方針] [5.研究所のあゆみ(沿革)] [6.担当・お問い合わせ] 

1.所長より......


 ある保育関係の雑誌で、「共感」についての特集にあたり、
『共感』という著書(佐伯編『共感』ミネルヴァ書房、2007年)もある小生がインタビューを受けた。
 その冒頭で、インタビュアはこんな質問をなげかけた。

   「保育の中で共感という言葉はよく使われています。
 子どもが楽しんでいることに共感するというような感じで,
保育者が子どもを理解する時の大事な姿勢として共感という言葉が使われることがよくあるように思うけど、
子ども同士が共感するっていうのはどういうことなのかな、と改めて考えていたらわからなくなってきたんです。
 たとえば、楽しく一緒に滑り台を滑っている子どもたちがいるとして、
そこでは同じ楽しさを味わっているんだけど、これって共感っていうことなんでしょうか。」
(『幼児の教育』第111巻第4号2012年10月 p. 5)

   残念ながら、そのときはこの問いにきちんと答えないで、別の話(ただし無関係ではない)
を持ち出してお茶をにごしてしまったのだが、ここであらためて説明しておこう。
 他人の思いや感情に自分の思いや感情をのせるというのは、
他者の思いや感情を自分の思いや感情と「同じ」とみなしているわけで、
これは「同感(sympathy)」であって「共感」(empathy)ではない。
「共感」というのは、自分と他者はもともと違うという前提に立ちつつ、
まずは相手が見ている世界を見る。

 また、相手がやろうとすることの背後にあるその「やろうとする」ことの動機や理由について、
相手の置かれている状況、それまでの経緯(いきさつ)なども踏まえて自らの中に取り込む。
「共感」は「あてはめて」いるのではなく、「わきおこってくる」ものであり、
他者が表示している「欲求レベル」の感情や行動に「合わせている」のではない。
我が国の教育には同感主義がはびこっている。教師は「子どもの気持ちに寄り添う」ことが大切とされ、
子どもは「教師の意図や思い」をいち早く察知してそれに応えることが望まれ、
教室はすべて予定調和に、「ことなかれ」で進行することが「よい授業」とされる。

   しかし、共感主義の立場に立つと、教師と子どもはもともと違うという前提に立つ。
したがって、教師の意図がそのまま子どもに伝わるとは限らないとする。
だから、子どもの「想定外」の意見や「質問」をおもしろがる。あるいは、
子どもが「合わせてくれている」ことの背後にある「本当の思い」を、なんとかして「感じ取る」ことに心を砕く。

 教室で、「みんな」とか、「わたしたち」という言葉が、
「みんな、わかってるよね」、「わたしたち、おなじだよね」を暗黙の前提にしてはいないか。
いつのまにか、「同感し合うこと」(WE-ism)を押しつけていないか、これは一度、振り返ってみるべきではないだろうか。
   

   
2.教育研究所の様子など

◇ 入所式

◇ 教育研究所での研修

◇ 教育研究所を目指す方々へ

◇ 教育研究所への招待

◇ 平成31年度(第73期) 教育研究所 研修員募集案内・募集要綱

◇ 研修員テーマ一覧

◇ 第71期中間報告会 (平成29年11月2日)

◇ 第70期中間報告会(平成29年12月9日)

◇ 第71期最終報告会(平成30年3月6日) 

3.研究発表会

 学校現場への研究成果の還元のため、研修員は研究所での1年目、および現場での2年目の実践研究を3年目に県下4地区で発表しています。
 30年度は、第70期研修員による研究発表会を実施しました。。

■平成30年度(第70期生) 実施報告   当日の様子


平成30年度 研究発表会 日程 詳細はこちら
日時 会場 佐伯所長挨拶
第1回中 信   6月16日(土) 9:20〜12:25 松本市立 梓川小学校   こちら 
第2回南 信  6月23日(土) 9:20〜12:25 箕輪町立 箕輪北小学校   こちら 
第3回東北信A  6月30日(土) 9:20〜12:25 上田市立 北小学校   こちら 
第4回東北信B  7月14日(土) 9:20〜12:25 飯山市立 城南中学校   こちら 


4.「教育研究所研究紀要」 佐伯所長巻頭言

「教育研究所紀要」に掲載されている佐伯所長の巻頭言を掲載しています。


平成24年度 第17巻  □平成25年度 第18巻  □平成26年度 第19巻  □平成27年度 第20巻

平成28年度 第21巻平成29年度 第22巻

5.教育研究所の目的と運営方針(平成28年4月改訂)

信濃教育会教育研究所は昭和22年(1947年)に、民間の教育職能団体である信濃教育会によって、現職教育と教育実践研究を目的とする研究所として創設された。
昭和25年に発表された「教育研究所の性格と任務」では、「教育の刷新並びに充実」が研究所の目的として記されている。
「刷新」とは、戦後教育改革における教育の刷新を意味し、戦時において国策にしたがい皇国教育にあたった過去への反省が込められており、教師の広い視野、識見が求められていた。
「充実」とは教育実践の充実、深化であり、戦時下である昭和18年に、研究所に先立って創設された長野県独自の内地留学制度が、留学生の学問、教養の修得を目的としていたのに対して、
研究が教育現場の実際に即し、「具体的実践的性格」をもつものであることが期待され、その研究は教育会を構成する教育会員に対して責任を負うものであり、研究の成果を現場に返していくことが期待されていた。
創設以来、70年目を迎え、教育界の変動の中で、以上の目的を受け継ぎつつ運営にあたってきている。
以下では、現行の運営方針の骨子をあげることにしたい。

  (1)教育研究所は、現職教育の場であり、実践の充実・深化と広い視野・識見を養うことを目的とする。
 (2)研究テーマは、研究所が今日的教育動向や教育課題・学校現場の実態やニーズを受けとめて決定し、運営委員会等での検討をへて改訂をおこなう。
 (3)研究は実践に即した事例研究を中心とし、実践の「振り返り」と「学び合い」を重視している。これまでの実践の歩み・現在の実践を振り返り、それに基づいて研修員・所員との共同の「学び合い」によって、各自の成長を目指している。
 (4)教師としての視野、識見を広めるために、県内外の研究者、実践者との研究交流を行う。
 (5)研究の成果を教育会・長野県教育に還元するために、『信濃教育会教育研究所研究紀要』等による成果の報告、3年目に行う県下4地区での研究発表会等で報告と協議を行っている。

6.研究所のあゆみ(沿革)
昭和18年
   -教育研究所の創設に先だって,県独自の現職教育制度である内地留学制度が発足。県視学清水利一の「教員を現職のまま勉学修業させる道を開きたい」,
   それは「長野県教育の進展に不可欠のことである」との提言を,県出身の岩波茂雄,西尾実,務台理作等が支援し,県教育行政担当者の協力により先駆的な現職教育が実現。
昭和22年4月
   -終戦後,「信濃教育会は,独自の構想のもとに教育研究所を創設すべきである」との意見が会員の間に高まり,清水利一,上條茂,久保義幸等からなる設立委員会により,
   「県内に根をおろし,現場の実践的課題を研究対象とする,現職教育の場」としての教育研究所を,信濃教育会と県教育委員会とのパートナーシップのもとに創設。初代主任は小出武。
昭和23年
  ‐教育研究所紀要の発行開始。
昭和24年
  ‐県教育委員会より委嘱さる「長野県カリキュラム実験試案」完成
昭和25年8月
  ‐新築された出版部の階上へ移転。
昭和26年4月
  ‐専任所員、長坂端午着任(所員制確立)。
昭和27年4月
  ‐初代所長に長坂端午就任。
昭和31年4月
  ‐教育研究所新館落成。
昭和32年4月
  ‐主任に浜田陽太郎就任(所長欠員)。
昭和34年
  ‐教育研究所年報の発行開始。
昭和35年4月
  ‐第2代所長に上田薫就任。
昭和39年7月
  ‐研究所設立以来の研究業績に対して、第13回読売教育賞を受賞。
昭和44年6月
  ‐第3代所長に五味美一就任。
昭和58年6月
  ‐信濃教育会新館落成にともない同館4階へ移転。
昭和58年7月
  ‐旧教育研究所の解体完了。
昭和63年
  ‐教育研究所年報の発行開始。
平成3年4月
  ‐第4代所長に上田薫就任。
平成6年4月
  ‐第5代所長に松林大就任。
平成7年4月
  ‐研究期間を2年間とし、1年次は研究所、2年次は各在籍校において研究、3年目に研究発表を行う体制となる。
平成11年4月
  ‐第1部門第2部門、統合して事業推進。
平成13年4月
  ‐第6代所長に稲垣忠彦就任。
  平成13年7月
  ‐公開研究会開始。
平成15年1月
  ‐我楽多文庫開設。
平成15年
  ‐土曜の会開始。
平成16年
  ‐県下四地区での研究発表会と同日同会場で公開研究会開催。
平成18年4月
  ‐研究所研修員派遣停止(第60期0名)。
平成19年4月
  ‐研究所研修員派遣復活(第61期8名)。
平成20年
   - 第60期不在のため、2年次(61期)とOBによる発表会。
平成21年
   - 研修員派遣停止後、初の3年次(61期)による発表会。
平成22年
   - 夏の公開ワークショップ、所期の目的を達し本年をもって終える。研究所運営規定改訂。
平成24年4月
   - 第7代所長に佐伯胖就任。
平成25年8月
   - 実践を語る会開始。
平成28年4月
   - 教育研究所開設70年目を迎える。教育研究所研究紀要第20巻発刊。
平成28年5月
   - 関東地区教育研究所連盟長野大会で研究発表。
平成29年4月
   - 信濃教育会教育研究所運営規定一部改訂。
平成30年4月
   - 研究テーマを5つから3つに統合する。

7.担当・お問い合わせ
信濃教育会教育研究所
電話:026-232-7169
FAX:026-232-1188
E-Mail:kenkyujo@shinkyo.or.jp

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